京都・伏見稲荷大社の境内の奥の稲荷山は標高233メートルと言われ、かつては稲荷神を含めた神々が降臨したとされる場所がありました。
その場所が「神蹟(しんせき)」と呼ばれる場所です。
「神蹟」とは、かつて「祀(ほこら)」や「社殿」が築かれ、丁重にお祀りされていた場所のことです。現在は巨大な石コロに注連縄が巻かれてお祀りされています。
現在は稲荷山の麓に主要な社殿群が立ち並んでいますが、創建当初は稲荷山中に上記のような「祠」や「社殿」が7つあり、稲荷神が降臨された場所として崇められていたようです。
つまり、現代に見ることのできる麓の社殿群は、当初は無かったものと考えられています。
7つの神蹟は、現在でも手厚くお祀りされており、それぞれの神蹟には以下↓のような「お社」が造営されています。
以下ではこの7つの神蹟と合わせて「稲荷山のオススメ参拝ルート」および「稲荷山を1周する所要時間」を合わせてご紹介しています。
項・一覧
京都・伏見稲荷大社の7つの神蹟
この中でも、以下の3つの神蹟は神々が降臨された場所として、稲荷信仰では特に崇敬が寄せられている場所と云われます。
- 上社(一の峰)※山頂
- 中社(二の峰)
- 下社(三の峰)
伏見稲荷大社の社伝によれば、「御膳谷奉拝所」は、三ノ峰にお供えするための神饌(しんせん)を用意した場所と云われています。現在でもこの神饌を供える儀式は踏襲され、例年1月5日の大山祭で大規模な儀式が執り行われています。
京都・伏見稲荷大社「稲荷山」の地図(MAP)
京都・伏見稲荷大社「稲荷山」の所要時間の目安(徒歩)
以下は現地にて実際に計測した数値となる。計測した歩くペースは大人のオッさんの歩幅と移動速度で「普通」です。
なお、以下の所要時間には御朱印・お守り授与、休憩時間、観覧時間、飯のクソ腹へのシコ流し時間は含まれていません。
JR稲荷駅or京阪稲荷駅から大鳥居(伏見稲荷大社・正門)まで
JR稲荷駅から大鳥居まで:約30秒
京阪伏見稲荷駅から大鳥居まで:約8分
大鳥居から千本鳥居まで
- 大鳥居から御本殿まで:約3分
- 御本殿から千本鳥居入口まで:約7分
大鳥居から千本鳥居までの総計所要時間
- 約10分
千本鳥居から「三つ辻」経由「四つ辻」まで
千本鳥居入口から奥社奉拝所(おもかる石)まで:約2分
奥社奉拝所から値上がりの松まで:約3分
値上がりの松から伏見神宝神社まで:約3分
値上がりの松から熊鷹社まで:約5分
熊鷹社から三つ辻まで:約10分
三つ辻から四つ辻まで:約15分
千本鳥居から「三つ辻」経由「四つ辻」までの総計所要時間
- 約38分
四つ辻から山頂まで
四つ辻からは「右回りルート」と「左回るルート」とで分岐します。
御朱印スタッフが両方のルートを実際に歩いてみた結果をコメントすると以下のようになります。
- 楽をしたければダマって右回りで行っとけ
- 悔い改める気持ちがあるのなら、ダマって左回りで行っとけ
・・です。こホンっ!
一応、この理由は後述します。
四つ辻から三の峰まで:約8分
三の峰から間の峰まで:約3分
間の峰(あいのみね)から二の峰まで:約10分
二の峰から一の峰(山頂)まで:約5分
一の峰から長者社(御劔社)まで:約10分
長者社(御劔社)から薬力社(おせき社/石井社)まで:約3分
薬力社から御膳谷奉拝所まで:約10分
御膳谷奉拝所から眼力社まで:約1分
眼力社から大杉社まで:約2分
大杉社から四つ辻まで:約3分
四つ辻から山頂までの総計所要時間
約55分
三つ辻から稲荷山・裏参道を通って本殿まで
三つ辻から脚神不動神社まで:約2分
脚神不動神社から荒木神社まで:約2分
荒木神社からお産場稲荷神社まで:約4分
お産場稲荷神社から大八島神社まで:約1分
大八島神社から御本殿まで:約2分
三つ辻から稲荷山・裏参道を通って本殿までの総計所要時間
約11分
稲荷山1週の総計所要時間
休憩、御朱印・お守りを頂くのと千本鳥居・おもかる石の混雑時間を含めた場合
約4時間
休憩だけをしない場合
約3時間
- 休憩時間=約1時間として計算
御朱印・お守りを受けるのみする場合
約2時間30分
参拝のみする場合
約2時間
稲荷山のおすすめ参拝ルートと「7つのの神蹟巡り」
※以下はオススメするルート※
↓
境内入口の3社(熊野社・藤尾社・霊魂社)
↓
楼門
↓
東丸神社
↓
外拝殿
↓
本殿or神楽殿(見学)
↓
権殿
↓
奥宮
↓
上末社
↓
※JR稲荷駅からここまで約10分から15分
↓
・社務所・休憩所有り ※御朱印がもらえます。
※千本鳥居から「おもかる石」まで約5分から10分(混雑時除く)
「おもかる石」はいつ行っても行列が発生しています。5分〜15分ほど並ぶこともあります。
↓
伏見神宝神社(稲荷大社とは別の神社だが関係社ではある)
※御朱印がもらえます。
↓
熊鷹社
社殿後方に「コダマ池(新池)」と言う池がある。池の畔で拍手を2回打つ特殊な参拝方法で有名!
↓
付近に休憩所(三玉亭/みたまてい)有り。
「いなり寿司」や「きつねうどん」などの食事も可能。
↓
荒神峰・神蹟(田中社)
↓
四ツ辻から山頂までは「右回りルート」と「左回りルート」に別れますが、左回りルートは御膳谷奉拝所から山頂までの山道にて急勾配があります。(特にキツいのが途中に約200段もある石階段。)
そこで御朱印スタッフのオススメは三の峰から反時計回りで登っていく右回りルートです。
右回りルートは勾配が比較的、緩やかです。
四ツ辻には稲荷山最大の休憩所(西村亭/にしむらてい)があります。食事も可能で座席数もあります。店頭では飲料も販売しています。一応の展望台もある。見晴らしは最高!
※奥社奉拝所からここまで約30分から40分
↓
三ノ峰・神蹟(下之社)※御祭神:白菊大神(磐座)
↓
間ノ峰・神蹟(荷田社)※御祭神:伊勢大神
二ノ峰・神蹟(中之社)※御祭神:青木大神
一ノ峰・神蹟(上之社)※御祭神:末廣大神
↓
※四ツ辻から山頂まで約15分〜20分。稲荷駅から山頂まで約1時間30分(休憩時間除く)
山頂では御朱印はいただけません。御朱印をもらえるのは山頂ではなく、少し下った下記↓御膳谷奉拝所です。
↓
薬力社
霊水が湧き出ている。その霊水で煮た「ゆでたまご」が食べれる!
※付近に休憩所(薬力亭)有り。
↓
おせき社
薬力社ちかくの舞台俳優や声優が参拝する喉(のど)の神様!
↓
釼石・神蹟(長者社)
巨大な剣のような石が祀られている。
ふたたび四ツ辻 ※ここまでで山頂を経由して一周してきたことになる。降りる際は行きとは違う順路で麓まで!
↓
ふたたび三ツ辻
三ツ辻も2回通ることになります。実は四つ辻だけではなく、この三つ辻も2つのルートに別れています。1つ目はすでに通ってきた熊鷹社や千本鳥居方面へ通じるルートです。
2つ目は稲荷山の裏参道とも呼べるルートです。伏見稲荷大社の公式パンフレットには掲載されていません。
もちろんオススメは熊鷹社や千本鳥居に戻らない裏参道を通行するルートです。
最終的に本殿へ戻りますが、道のりはまだ長いので山頂からの下山で疲れた身体を「三玉亭」で癒します。※飲料販売あり …ゴクゴクゴク プっは〜
↓
腰神不動神社(明竹稲荷宮)
裏参道を通行するとお塚がたくさんありますが、その一角に腰の病気に関する神様を祀った珍しい神社があります。ただ、この神社が珍しいのが腰神という神様と不動明王が合体した神仏になります。
実際に神社さんから「当神社は神仏習合の社です』との案内をうけます。※御朱印がいただけます!
↓
荒木神社
荒木神社と言えば「口入り稲荷人形」が有名!ぜひ、立ち寄って!
※残念!御朱印はない!
↓
お産場稲荷
子育て上手なキツネ夫婦を祀る神社です。安産を望む方や妊婦の方はぜひ!立ち寄って!
ふたたび残念無念!御朱印はない!
↓
大八島社(八嶋ケ池)
伏見稲荷大社の摂社です。大八島大神が祀られている。
↓
ふたたび「本殿」に見参!
※最後に本殿横の社務所(授与所)にてお守り・御朱印を授かる。
↓
入り口付近の参集殿へ移動。(ひと息入れる。ビールをクソほど腹へ流し込む・浴びり飲み…グッビグビ)
↓
帰途
所要時間
総計:4時間(休憩、御朱印・お守り授与時間を含む)
平均:2時間30分(休憩含まず)
注意
昨今、外国人観光客が増加し、千本鳥居・おもかる石や四つ辻あたりは大変混み合います。参道が広くない上、突然、立ち止まって写真撮影をされたりする方が多いので、思うように動けません。だから余計に時間がかかります。
足腰に自信のない方は、四つ辻から右回りで「三の峰→間の峰→二の峰→一の峰(山頂)」と、進む方が比較的、楽です。御膳谷遙拝所へ向かう道はもとより、御膳谷から→山頂を目指す道も急勾配の石階段の連続で体力をキャナリ(訳:かなり)消耗します。
四つ辻から左回りで上がって来られる方はどの方も「ゼィ〜ゼィ〜 ウィィィぅぉぉぉぅぉぅぉぅわ〜… ハぅぅぉぉぁぁ・・グハっ。」
・・
・・などとといっておられます。きみだけや
【補足】「孤巒返景色」
稲荷山・三ツ辻、四ツ辻からは京都伏見の街並みが一望できます。
特に三ツ辻から観る景色は古来、「孤巒返景色」とも呼ばれ、これはすなわち「稲荷山で照り返した夕日の見栄えが見事なただ1つの場所」を意味します。
三ツ辻や四ツ辻へ訪れた方は是非!景色を見てみてください。
稲荷山の四つ辻からは「右回り」「左回り」どっちが良い??
効率や身体の負担を考える人であれば四つ辻から右回りが楽なのか?左回りするのが楽なのか??何気なしにふと考えてしまうものです。
結論から言えば・・圧倒的に「右回りで登る方が良い!」です。
理由は上述したように左回り、つまり、御膳谷奉拝所から一の峰(山頂)を目指すルートの方が、圧倒的に急勾配な坂道が多いからです。
稲荷山へ登ることはある意味、神仏に対しての崇敬心の表れだとする認識からか、「楽な方の道」とはどのパンフレットにも書かれていません。
右回りで楽な理由は以下の地図を見て一目瞭然でご納得いただけるかと思います。
この図絵は稲荷山全体を描いたもので、大正時代の有名な画家「吉田広重」によって描かれたものです。よく見なくても「真っ白な長い長〜い恐怖の石階段」が一目瞭然で目につきます。
一説ではこの坂こそが、かの有名な清少納言が稲荷山に参拝した折、苦しさのあまり膝をついたとされる坂です。
それともう1カ所、御劔社から御膳谷へ向かう途中にも石階段が見えます。上記の石階段に比べれば距離は短いのですが・・この石階段ですら、結構キツいです。
稲荷山へこれから登られる方は是非!参考にしてみてください。自分を苦しめるのが好きな方であれば躊躇することなく左回りを選択してください。
関連記事一覧
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。