京都・伏見稲荷大社「おせき社(おせき稲荷社)」
創建年
1800年代(明治時代初期)
京都・伏見稲荷大社の境内の奥の稲荷山には千本鳥居を始めとして様々な社があります。
その内の1つに「おせき社」と言うお社があります。
京都・伏見稲荷大社「おせき社」の歴史
伏見稲荷大社・おせき社は稲荷山の山頂に通じる「関所」の役目を果たしていたことから「お関稲荷」として崇められていたようです。
ある時、伏見稲荷大社に「とある歌舞伎役者」が参拝に訪れ「ノドの痛み」や枯れ声からの「咳(せき)」の平癒祈願に訪れたそうです。
その際、稲荷山へも訪れて、山頂付近の参道を通りかかった際、「お関稲荷」にも参拝をし「関」を「咳(せき)」とかけて喉の治癒と平癒を祈願したそうです。
するとその後、嘘のようにノドの痛みが消えて、以前にも増して芸に身が入ったとの由来から、いつしか、この話を聞きつけた人々によって「喉の神様」としても崇敬を集めるようになったとのことです。
この話の後、名前も「お関稲荷」⇒「おせき(お咳)社」へと移り変わり、現在に至っています。
石神(せきじん)=咳神(せきじん)?
伏見稲荷大社の稲荷山には石が幾多も祀られている様子が散見されますが、これは石(いし)を「せき」と読む風習が生まれ、やがて”咳封じ”の信仰が生まれたとも考えられます。
実は、このような由来を持つ神社は他にもあり、例えば、東京都江東区亀戸にある石井神社では前身を「石神社」と呼称し、時代を下りながら「石神(せきじん)」が転じて、「咳神(せきじん)」となり、やがて咳封じのご利益がある社として崇敬を集めるようになっています。
亀戸の石井神社ではさらに石神(せきじん)が訛りを転じて、「石神(しゃくじん)」とも呼ばれるようになり、やがて、しゃくが”杓(しゃく)”に転じて、「しゃもじ(杓文字)」を奉納する風習が生まれています。
この風習は現在にまで踏襲され、境内では”しゃもじ”を手持ち参拝に訪れる人の姿が散見されます。
京都・伏見稲荷大社「おせき社」のご利益
- 喉(ノド)の治癒・平癒
- 芸能関係の仕事の守護・繁栄
伏見稲荷大社・おせき社の郵便受けと不思議なハガキ
伏見稲荷大社・おせき社には、なんと!「木製の郵便受け」が設置されており、この中にはハガキがたくさん入っています。
このハガキは、風邪をひいてノドが痛くなり、おせき社まで参拝に行きたいが行くことができない人や、遠方にお住まいで参拝に訪れるのが難しい方が、この「おせき社」へ送ったハガキになります。
ハガキの内容は、風邪が治ったお礼や、今、風邪をひいている真っ最中で治癒や平癒の祈願を込めた文章が記載されています。
なお、ハガキ以外に「手紙」でも郵送が可能とのことです。
伏見稲荷大社「おせき社」への郵送(ハガキの宛先)
宛先は、封筒やハガキのド真ん中に『伏見稲荷大社おせき社』とだけ記入すれば良いとのことです。(住所や郵便番号はいりません)
郵送できる地域に関しては特に規定がなく、日本全国から郵送が可能なようです。
京都・伏見稲荷大社「おせき社」の場所(地図)
伏見稲荷大社「おせき社」は山頂付近に位置し、薬力社の前の分かれ道から少し登ったところにあります。
本殿から「おせき社」までの所要時間:徒歩約1時間
四つ辻から「おせき社」までの所要時間」徒歩約35分
- 稲荷山1周の所要時間やオススメ参拝ルートはコチラから
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