京都・伏見稲荷大社「奥社奉拝所」
創建年
不明
推定:1500年代(明応年間/室町時代)
再建年(大造営)
1794年(寛政六年)
創建年(拝所)
1975年(昭和五十年)
御祭神
稲荷山三ケ峰(稲荷大神)
読み方
奥社奉拝所:おくしゃ ほうはいじょ
伏見稲荷大社「奥社奉拝所(奥の院)」の歴史・由来
稲荷山の最右の山道を駆け上がり、千本鳥居を抜けてさらに進むとやがて「奥社奉拝所」と呼称される場所が出てきます。
江戸時代の奥社奉拝所
伏見稲荷大社の寺伝によれば、江戸時代では「封戸所(ふこしょ)」や「供物所」などとも呼ばれていたようです。
「封戸」とは、天皇や領主などから与えられた位や所領のことです。
封戸には所領からの年貢や金銭などが納められ、おそらく封戸の権限がこの稲荷大社にも与えられていたのでしょう。
奉納された年貢や金銭、物品などは稲荷大神へのお供え物として、当時の封戸所(現在の奥社奉拝所)にて供進していたものと考えられます。
なお、奉拝所は1794年(寛政六年/江戸時代後期)に大造営が実施され、この時に現在の社観(社殿群)整ったとされ、昭和50年代には「拝所」が加築され今日に到る。
奥社奉拝所の見どころ
奥社奉拝所の授与所(社務所)
奥社奉拝所にも授与所があります。授与所ではお守り・御朱印などの授与のほか、ご祈祷の受付もされています。
お守り
この奥社奉拝所には、本殿横の授与所では授与されていない、以下のような奥社奉拝所オリジナル守りを授与されています。
白狐守
根付タイプの小さなお守りと、大きな「ぬいぐるみ」と呼べるお守りと2種類あります。
古来より、白い動物は神の遣い(眷属/けんぞく)と云われ、幸福をもたらすと云われてきました。
同様に白狐は「稲荷神」の眷属(血族。仏教においては仏を守護するために付き従う存在。)と云われ、稲荷神と同様に崇められています。
- 初穂料(値段):(小)500円(大)1000円
- 白狐守の効果(ご利益):幸福を呼び、運が開け(開運)、邪気を払う(厄除け)
幸守
下記、福守とは類似したパッケージデザインのお守りです。幸守と合わせて奥社限定のお守りになります。
- ご利益:幸せになれますように〜
- 初穂料(値段):500円
福守
伏見稲荷大社では、「福」と書いて「しあわせ」と読みます。
上記、幸守とはお守り袋のデザインが異なるだけで同じ種類のお守りになります。幸守と合わせて奥社限定のお守りになります。
身体健全・福徳円満などが祈願されています。
- ご利益:身体健全・福徳円満
- 初穂料(値段):500円
願い守
千本鳥居がデザインされたお守りです。
赤色の紐とオレンジ色の紐の2種類があります。
- ご利益:心願成就
- 初穂料(値段):800円
身代わり守
名前の通り、万が一の厄災時、この守りが身代わりになってくれるよう祈願されています。
- ご利益:身代わりになってくれる(厄災除け)…ウフん♥
- 初穂料(値段):500円
福鈴
青銅製の鐘のような縁起物です。中に鈴が入っています。
- ご利益:開運招福
- 初穂料(値段):1000円
土鈴「命婦土鈴」
上記、福鈴と同じく、縁起物です。
- ご利益:開運招福
- 初穂料(値段):1000円
「白キツネの絵馬」
奥社奉拝所のもう1つの見どころに、可愛い白キツネの絵馬があります。
通常の絵馬と同じく、願意、住所、氏名を記入して絵馬掛けに引っ掛けます。
奥社奉拝所まで来られたのであれば、「白キツネの絵馬」に願い事を書くのもオススメ💘
- 白キツネ絵馬の値段:500円
火焚串
神社ではあまり見かけることが少ないのですが、密教寺院で言うところの「護摩祈祷」で用いる護摩札に似ています。
伏見稲荷大社で毎年11月に執り行われる「火焚祭」でお焚き上げしていただけます。
祈祷札に願意と氏名を書くだけの簡単なものです。
- 値段:200円
「おもかる石」
この奥社奉拝所には「重軽石(おもかる石)」と呼ばれる石が置かれています。
この石は重いと思って持つと意外に軽かったり、はたまた軽いだろうと思って持つと意外に重かったりする摩訶不思議な石です。
例えば筋骨隆々のたくましい青年がこの石の前に立ち、石の大きさと青年の身体つきからみて誰もが簡単に持ち上がるだろうと思ふ。
ところがドッコイ!なんと!想定外に重く、うまく持ち上がらないなどの逸話もある。
軽ければ?重ければ?‥どの状態で願い事は叶う?
言い伝えでは、この「おもかる石」を持ち上げることで、現在の自らの状態が、願いが叶いやすい状態にあるのか?‥などを以下のように判定できるようです。
- 持ち上げた時に「軽い」と感じれば願いが叶いやすい状態にある
- 持ち上げた時に「重い」と感じれば願いが叶う日が遠い、もしくは叶わない
稲荷山へ参られた際は奥社奉拝所へ立ち寄って「おもかる石」を持ち上げてみはいかがか。
伏見稲荷大社のおもかる石の詳細については以下の別ページにてご紹介しています。
おもかる石は全国で散見される占いのようなもの
このような「おもかる石」と呼ばれる石は、伏見稲荷大社だけにあるものではなく、全国の社寺や施設などでも見られる。
例えば、大阪・住吉大社や、和歌山県・高野山の奥の院にも似たような由来を持つ「おもかる石」と呼ばれる摩訶不思議な石コロころころドコいった‥‥が置かれています。ふぅ
社務所と「奥社奉拝所」の御朱印
奥社奉拝所にも社務所と売店があります。
社務所では「奥社奉拝所オリジナル御朱印」をいただくことができます。
御朱印の値段:500円
授与場所:奥社奉拝所の社務所
奥社奉拝所の社務所では、他にお守りも授与しています。
売店「大薮茶亭」
奥社奉拝所には大薮茶亭という売店があり、小休憩することができます。
食事はできませんが、代わりにコーヒーやジュース、お菓子、アイスクリームなどが買える。
他に神前に奉納する鳥居や1200円〜2500円までの御朱印帳(市販)も当売店にて買える。
それと、店頭奥から階段を降りるとトイレがあるので、一日の射出回数が多いコノヤロー共は奥社に来たら忘れずにタンクをスッからかんにするほどに射出しておくのがベスト💘
後醍醐天皇の歌碑
あまり知られていないが、奥社奉拝所には後醍醐天皇御製の歌碑がある。
無論、後醍醐天皇の歌碑が当地にあるということは後醍醐天皇と伏見稲荷大社が何らかの関連性があるというわけなのだが、この理由は下記ページを要チェック💘
関連記事:奥社奉拝所「後醍醐天皇の歌碑」
命婦谷とも呼ばれた神聖な場所
奥社奉拝所のある場所は、古来、「命婦谷(みょうぶだに)」と呼称される場所です。
そして、命婦谷(奥社奉拝所)の真後ろ(奥)には、その昔、稲荷神が降臨されたとされる「稲荷山三ケ峰」があります。
稲荷信仰では、稲荷山自体が稲荷神の御神体であり崇敬の対象となります。
つまり、奥社奉拝所とは稲荷神が降臨された稲荷山三ケ峰を、遥拝(ようはい/=少し離れた場所から拝む)する場所と言うことになります。⬆️奥社奉拝所の拝殿前方には無数の奉納鳥居がみえる。古今の信仰の篤さを物語る。
奥社奉拝所は奥の院を拝してそのまま帰る場所ではない
今日、千本鳥居をくぐり抜け、その奥の奥社奉拝所で礼拝し、おもかる石を楽しんだ後、そのまま帰る人の姿も少なからず散見される。
現に千本鳥居には二条の道があって右側通行とされる現状がそれを傍証する。
古来、稲荷信仰では稲荷山を登拝することを「お山する」と言うように奥社奉拝所(奥の院)ではこれから稲荷山を登拝するにあたり、その道中の安全を願う社となる。
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